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いつも、花のこと。

うつわ、雑貨、古いもの。花のある暮らし。日常花がもっと楽しくなる「小さな工夫」。

自由が丘「カフェイカニカ」を営むフラワースタイリスト・平井かずみさん、待望の花と暮らしの本! カフェはHanakoの表紙などに登場し、平井さんは昨年末ユナイテッドアローズ原宿店でリースの個展を開催。家にある器や雑貨での簡単な花活け、道具や花との接し方、朽ち花や干し花の楽しみ、旅で出会った花やお店もご紹介。毎日を楽しくする花の話、暮らしの工夫を送ります。

3月も末頃、いつもお世話になっている那須の花農家さんから、フキの花が届きました。1カ月前はつぼみの部分を味わいながら、いよいよ春がくるんだなぁって待ち遠しく思っていたばかりなのに。わたしは冬の間中、スープカップにしていたうつわにそれを一輪、挿してみるのです。ベアグラスを上から覆いかぶせれば、地面からひょっこり顔を出しているかのよう。そして、カフェの下駄箱の上へとしつらえ、お客様に、小さな春のお知らせをするのです。

わたしの花のしつらえはこんなふうに始まります。季節の花を、ふだん使いのうつわに活ける。暮らしの中にたたずむようにかざる。するとその場にすっと風が吹いたあとのように、気持ちのいい穏やかさが広がります。何気ない花との暮らしの楽しみ方、それは、ささやかに視点を変えたり、小さな工夫をすることだけ。そうじが苦手だからそこに花をかざる。水に浸して取っておいたハーブから、しばらくすると新しい根っこが生まれる。花が朽ちても、新しい美しさがそこにある。花だけを見ていては、新しいいのちの種が生まれるその瞬間を見逃してしまいます。視点も変えてみれば、花と付き合う新しい楽しみだって生まれるのです。楽しみ方は自由。活けるものにも、きまりごとはありません。

湯呑み茶わんや平皿、古いすり鉢、ビーカー、フラスコ、紅茶の木箱だって花器になる。日常のなかで楽しむ花のしつらえは、花を活けることを特別に思わない工夫なのです。

花を活けたり、育てたりすることは何も難しいことではありません。だって、花はありのままに咲いているだけで十分にかわいくて、きれいなのですから。太陽に向かって咲く方向を探し、活ける前のひと手間を大事にしてあげれば花は思いのほか、長く元気に咲いてくれる。大事なコツはこの程度。

わたしが花と接する上で大切にしているのが「しつらえる」という感覚。その語源は、平安時代の「室(しつ)礼(らい)」という言葉に由来すると言われています。季節の行事や儀式に合わせ、家具や調度品を配し、部屋全体の趣から整えるという慣わし。ただ花に注目して活けるだけでなく、空間を花で景色に変える、そんな感覚なのです。

花は毎日、違う表情を見せてくれます。窓の外や、駅までの道のり、気がつけばあなたの身近なところに、きっと「いつも」花は咲いているはずです。この本が、そんな小さな楽しみに出会える「花との暮らし」のはじまりとなればうれしいです。
(「はじめに」より)

平井かずみ / A5判型 / 136ページ / 4C / ISBN978-4-12-390267-0

<著者紹介>
平井かずみ
フラワースタイリスト。ikanika主宰。インテリアショップ「TIME&STYLE」勤務の後、フラワースタイリスト・谷 匡子氏に師事。現在は東京・自由が丘で、ご主人と共に開いた「カフェ イカニカ」を拠点に都内近郊で「花の会」をはじめとする教室を定期的に開催している。 「しつらえる」という感覚を大切に、暮らしの中の花を提案する。
http://www.ikanika.com/

コンテンツのご紹介

section1 暮らしの中の花 一
朝10時までの約束ごと / "ついで"の花そうじ / 花とともに出迎える / まず、いつも、玄関から / 続きはキッチンで / 一輪から始める - 太陽の向きはどっち? - / 一輪から始める- ほんの少しのさじ加減 - / 食器棚を眺めながら / 簡単に大胆に - 添える、沿わせる、並べる -

hana-kurashi 庭を望むアトリエ
視点を変えて花さんぽ
季節の知らせと遭遇する

hana-sanpo わたしの好きなさんぽ道 - 石川植物園、喫茶とパン‐

section2 花との付きあい方 - 活け方よりも接し方 -
過程が大切 / 花屋さんから帰ったら ‐ 花を長く、いきいきとさせるために - / 活ける直前、仕上げの気づかい / ちょうどいい水加減

hana-dougu 知っておきたい道具使い

section3 暮らしの中の花 二
窓辺の額縁 / 雨の日に花を / 大好きなバラを最後まで

ikanika-no-koto カフェを始めた理由
café-ikanika カフェ イカニカ
hana-no-kai  花の会

カフェの花はさり気なく / 干し花を始めました / 干し花で作るサシェ / 古いものがつなぐ物語 / 手を加えて使い続ける / 好きだから使い続ける / 柔軟な白いうつわ

hana-tabi 加賀、金沢の旅
うつわ作家を訪ねて〜安齋新・厚子さん〜
おみやげ探しに金沢へ

section4 暮らしの中の花 三
カーテンは少しだけ / 白いものが好き / 小さな庭。寄せ植え / 再生の美しさ / 花ごよみ

section5 朽ちゆく花も美しい
夏の終わりにしたいこと / 秋色アジサイ / 幸せのしるし / アジサイリースの作り方 / 足元の一期一会 / 贈りものに添えて / 種だより

日々のこと 出会ったもの 好きなもの

いつも、花のこと。

書名 : いつも、花のこと。
発行 : 株式会社マーブルトロン
販売価格 : 1,680 円(内税)
ポイント : 16pt
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